フラワーエッセンス

『憂いを忘れる』藪萱草(ヤブカンゾウ)は名前も『忘れ草』

お久しぶりです。

フラワーエッセンスを作ることは
私にとって本当に楽しいことです。

今日も新しく作ったフラワーエッセンスの
お話をさせていただきますね。

和良のサロンの近くをお散歩していると
オレンジ色のお花が目立つようになりました。

 

薮萱草(ヤブカンゾウ)です。

和良に来て3年目。
毎年気になっていたのですが、
去年野草王子のワークショップに参加した時に
「蕾を食べると美味しい。」と聞き
今年はぜひ食べてみようと思っていました。


蕾を収穫して、


ベーコン、つるむらさき、椎茸、にんじんと炒めてみました。
塩胡椒と少しの醤油で味付け。
クセもなく美味しい!!!

ほうれん草の20番の鉄分があり、増血作用があり、食べるとよく眠れるそうです。
そういえば、その日はなんだかよく眠れました☺️

 

 

忘れ草という別名は、
花の蕾を食べると、あまりの美味しさに『憂いを忘れる』ことから
来ているようです。

この『忘れ草』という名前は
中国の古い書物に、悲しみや苦しみを忘れさせてくれるという植物が載っています。それは、忘憂草と呼ばれていました。大陸に広く自生するシナカンゾウのことです。どうやら花のつぼみを食べると、あまりのおいしさに憂いを忘れるということのようです。
 この言い伝えが日本に届き、同じ仲間のヤブカンゾウやノカンゾウを忘れ草と呼んだようです。
『万葉植物探報』より

ワスレグサという名前の由来は、この植物を植えると悩みを忘れるとする言い伝えがあることから付いたとされています。
皇居外苑ニュースより

古くは、忘草、忘憂と呼ばれており、和名抄(934年)に萱草の漢名をあげ、一名“忘憂(ぼうゆう)”和名を“和須礼久佐(わすれぐさ)”としています。
忘草、忘憂の由来は、中国の詩人“陶淵明(とうえんめい:365~427年)の飲酒詩の一節に“忘憂の物”とありこれは、酒の異称であり萱草の異称であると云われていて、その訳には幾つかの説があります。
その一、この美しい花を見て、憂いを忘れる。
そのニ、金針菜は美味しくて、食べると憂いを忘れる。
その三、早春の新芽を食べると“憂いが晴れる”と云われたのが、花を見
     るだけで”憂いを忘れられる”になった。
その四、金針菜は薬効として、気分を高揚させる興奮剤になることから。
他に、牧野富太郎博士の説は、中国でも、この花を見て憂いを忘れるという故事から“忘れる”に“萱“の文字を充てることから“萱草”と云い、和名は、この漢字の意訳であると、しています。
『萱草の話』より

と、割と古くから言われているようで

万葉集にも忘れ草としてうたわれています。

  忘れ草 我が紐に付く香具山の 古りにし里を忘れむがため    大伴旅人 巻3-0334
(大伴旅人は大宰府の帥として赴任しました。ある宴で、小野老(おののおゆ)が詠んだ・ あをによし 奈良の都は咲く花の にほふがごとく今盛りなり この歌に対して旅人が応えた歌。忘れようとしても忘れられない。望郷の思いがこもった歌)

  忘れ草 我が下紐に付けたれど 醜の醜草言にしありけり    大伴家持   巻4-0727
( 醜(しこ)とは。 ①強く頑丈なこと ②醜悪な、ばかげたこと。
忘れることなど出来ない。だから「醜の醜草」とののしる家持)

  我が宿の 軒にしだ草生ひたれど 恋忘れ草見れどいまだ生ひず 柿本人麻呂歌集  巻11-2475

  忘れ草 我が紐に付く時となく 思ひわたれば生けりともなし   作者不詳   巻12-3060

  忘れ草 垣もしみみに植ゑたれど 醜の醜草なほ恋ひにけり    作者不詳   巻12-3062

 

こんなに『憂いを忘れる』と書かれているということは
フラワーエッセンスを作ると絶大な効果があるんじゃないですか?

ということで、

和良の川の水でフラワーエッセンスを作らせてもらいました。
お花は摘まずに作りました。

試してみたい方はこちらから

 

ユリ科ワスレグサ属(Hemerocallis fulva var.kwanso)
生薬名:萱草根(かんぞうこん)根…利尿、涼血、消炎、止血薬として膀胱炎、不眠症
金針菜(きんしんさい)蕾…消炎、止血薬として血尿、痔
花期:六〜七月